『岩淵喜代子集』へのお礼

冠省

『岩淵喜代子集』を賜り、早速、読ませて戴きました。139頁に
  孫連れて南瓜の花の咲くところ
を見つけ、懐かしく思い出しました。小生が、この句について「遊牧」に書いた感想文のことであります。すでにお目に触れられているかと思いますが、再掲いたします。

 岩淵喜代子の第六句集『穀象』から引いた。この句集により詩歌文学館賞を授与された。氏は、同人誌「ににん」の創刊代表であられ、先年は『二冊の鹿火屋』で俳人協会評論賞をも授与された方である。筆者(栗林)はこの評論を読んで、原石鼎の晩年を知り、いたく感銘したことを覚えている。また前句集『白雁』も記憶に残っていて、例えば、次のような句があった。 
   耳飾り外す真夜にも海猫啼けり
   昼も夜もあらずわれから鳴くときは
   遠い田を沖と呼んでは耕せり
 俳句教室では「孫俳句」を作らぬように指導するようだ。甘くなるからだと言う。筆者は、そう思いながらも抵抗したくなる。つまり「孫」を素材にした名句を詠みたいと常々願っているのである(まだできていないが……)。掲句は、なんの甘さもない。べたべた感がない。平常の気分があるのみ。遊園地やデパートへ連れて行くのではない。「南瓜の花」が良い。日常の変哲もない場所、ただし、若干の詩情が湧きそうな田園へ、散歩がてら連れて行くのであろう。

 そのほか、むかしに詠まれた作品も、この機会に、頭からさっと読ませて戴きました。多くの佳句から、とくに好きだった句を掲げます。

画像




041 鮟鱇こそみちのく訛といふべかり
046 空也忌の闇が動いてくるやうな
090 落書のやうに瓢箪成りにけり
100 雫する水着絞れば小鳥ほど
111 次郎より太郎のさびし桐の花
112 紫陽花に嗚呼と赤子の立ち上がる
116 箸置きに据ゑて箸置く薄暑かな

112と116は「あ」や「は」の頭韻を遊んでいて、余裕ある詠みぶりである、と感心致しました。
 以前、小生は岩淵さんの『穀蔵』から多くの共鳴句を引いて、ブログに載せ、鑑賞しましたが、今回はまた違った選をしたみたいで、懐かしく思い出しております。

 有難う御座いました。益々のご健吟を願っております。
                                        草々

                                栗林 浩

 岩淵 喜代子 様

平成30年11月28日

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