諏訪洋子句集『人に火に足跡』

 諏訪さんは「遠嶺」から出発し、「国」を経て、現在は前田弘代表の「歯車」の同人となっていらっしゃる。この句集『人に火に足跡』は第二句集である。  自選十句は次の通り。   寒卵割って目覚める多肉都市   自画像の裏はいつでも秋の海   これよりは鶴よ鶴よと髪を梳く   光源は百の白鳥吾がむくろ  …
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木村かつみ句集『猫の椅子』

 木村かつみさんが句集『猫の椅子』を上梓された(平成三十年四月一日、ふらんす堂)。木村さんは磯貝碧蹄舘主宰の「握手」に入られ、主宰逝去後は長嶺千晶「晶」代表に師事している。序文は長嶺さんが、病がちな木村さんへの思いやりを込めて書いている。しかも故碧蹄舘主宰の木村さんへの指導ぶりや、悩んでいたときの糸大八氏の温かい言葉にも触れていて、筆者…
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浜岡紀子句集『美しい夜』

 浜岡さんが第一句集『美しい夜』を刊行された(平成三十年三月二十一日、現代俳句協会)。氏は、「寒雷」と岩淵喜代子代表の「ににん」の同人で、句歴二十年ほどの方。平成二十八年には「泉声賞」(選者賞)を受けている。  序文は「寒雷」「ににん」の川村研治氏が書いておられる。  自選ではないが、岩淵喜代子さんが選んだ十…
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塩野谷仁句集『夢祝』

 「遊牧」代表塩野谷仁さんの第八句集である(平成三十年三月十日、邑書林刊行)。帯には    いまは昔のけむり真っ白夢祝 が引かれ、「無頼派くずれと自認しつつ、あまた身に負う傷を受け止め、いよいよ沈潜する胸懐を虚空へ放つ!」とある。いっとき、関西での仕事の上で大変なご苦労があったと仄聞しているが、句会の様子からは、「無頼派」というより…
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永井千枝子句集『たまゆら』

 永井さんは戸恒東人主宰「春月」の同人で、主宰の序文から、俳歴十七年、八十五歳の方とわかる。自選句にあるように、「玉響」という枕詞を上手に使いながら、句柄は、しかし、古くない。しっかりとした有季定型句で、「ボヘミア」「かぐや」「ギブス」アザーン」など新しさをも詠み込んでいる。平成三十年二月二十八日、雙峰書房刊行。 …
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茂里美絵句集『月の呟き』

 茂里さんは塩野谷仁代表の「遊牧」の同人だが、その前から金子兜太の「海程」に属し、一九九六年新人賞、二〇一〇海程会賞、二〇一五年海程賞を受けている重鎮である。「序文にかえて」として、金子兜太主宰から戴いたいくつかの句に対する評文を掲げ、跋文は塩野谷代表が書いている。一九九一年からの二十六年間の第一句集である。  題名の『月の呟き』は〈…
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名和未知男句集『草の花』

「草の花」主宰の名和さんが句集『草の花』を上梓された(平成三十年一月二十九日、文學の森)。旅好き、野草好きで山も好きな氏らしく、『くだかけ』『榛の木』『羇旅』につぐ第四句集である。帯には〈古都なれや道の秋草みな親し〉の一句と、次の一文がある。   老来、私の旅好き・植物好き・山好き(今は眺めるだけですが)は、ますます強まっています。こ…
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日野百草句集『無中心』

 日野さんが第一句集『無中心』を出された(平成三十年一月十五日、第三書館)。編集人は「鷗座」の代表松田ひろむさん。序文は「玉藻」主宰の星野高士さんで、解説は「軸」主宰の秋尾敏さんの豪華メンバー。俳句を始められてから僅か三年だそうだ。一読して、もっと長く俳句を愛好・精進した人のように思える。  自選句は…
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井上さち句集『巴里は未だ』

 井上さちさんが句集『巴里は未だ』を上梓された(平成三十年一月二十八日、文學の森)。帯文は彼女が所属している「いつき組」の夏井さん。だから愛媛の方であろう、と想像できる。農家の方で、娘さんがパリにお住まい、とある。  一方で、序文は「街」の今井聖主宰。NHKのある大会で、下に挙げた自選句のはじめの一句を、特選に選んでくれたのが縁であっ…
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西村麒麟句集『鴨』

 西村麒麟さんが第二句集を出された(平成二十九年十二月二十四日、文學の森)。氏はこの出版社の催行する俳句新人賞「北斗賞」をこのほど受賞した。また、石田波郷賞、芝不器男新人賞「大石悦子賞」、ふらんす堂の田中裕明賞も、立て続けに受けている気鋭の若手俳人である。結社は長谷川櫂の「古志」に所属している。筆者は、以前ぶらりとお邪魔した東大俳句会で…
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伊藤眠句集『水の音楽』

 伊藤眠さんが第三句集『水の音楽』を上梓された(文學の森、平成30年1月22日)。眠さんは飯田龍太の「雲母」に昭和62年に入会し、終刊後しばらくして個人誌「雲」を創刊された。現在は大木あまりさんに師事し、現俳協や横浜俳話会の役員として活躍されている。    自選句は次の10句。   魞挿すや湖に明…
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森田廣の心象風景『出雲、うちなるトポス』

 森田廣さんが表題の「絵と俳句」からなる美麗な本を上梓された(平成29年12月10日、私家版、霧工房)。副題に「俳句+絵画*永遠なる一瞬」とある。今まで出された六冊の句集から五句づつを厳選され、それに自作の色彩豊かな絵画を上質紙の上に添えている。右の頁に五句を、左の頁には絵画である。大きさは縦横21センチづつの真四角な本に仕上がっている…
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宇多喜代子著『この世佳し―桂信子の百句』

 宇多喜代子さんが『この世佳し―桂信子の百句』を出された(平成29年12月16日、ふらんす堂)。著者の宇多さんはここで書くまでもないが、前の現代俳句協会会長を務められ、第35回蛇笏賞を貰われている。「草苑」の桂信子に永年師事されてこられた。 「あとがき」には、「九十年の生涯を語るにふさわしい句を選び、いささかの事跡を付して〈桂信子の百…
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季語別『大石悦子句集』

 大石悦子さんは「鶴」「紫薇」の同人であられ、俳壇でのご活躍が旺盛。第53回俳人協会賞ほか多くの賞を貰っておられる重鎮である。この度、季語別の『大石悦子句集』を上梓された(平成29年12月18日、ふらんす堂)。  該句集は、大石さんの第一句集『群萌』から第五句集『有情』およびそれ以降を含め、実に、2221句を収めている。 …
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上田信治句集『リボン』

 「週刊俳句」でご活躍の上田さんが第一句集を出された(平成二十九年十一月三十日、邑書林)。『超新撰21』や『俳コレ』の編著でも著名な方であり、今回が第一句集であると知って、むしろ驚いた。だから期待しながら読み始め、第一句から新鮮な衝撃をもらった。   うつくしさ上から下へ秋の雨  氏の作品は、表現の上からは、…
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岩淵喜代子句集『穀象』

 岩淵さんが第六句集『穀象』を上梓された(平成二十九年十一月二十五日、ふらんす堂)。氏は同人誌「ににん」の創刊代表であられ、先年、『二冊の鹿火屋』で俳人協会評論賞を授与された方である。筆者(=栗林)はこの評論を読んで、原石鼎の晩年を知り、いたく感銘したものである。また前句集『白雁』も記憶に残っている。例えば、   耳飾り外す真夜にも海…
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鳥井保和句集『鳥戀』

 鳥井さんが第四句集を出された(平成二十九年十二月十日、本阿弥書店)。氏は「星雲」の創刊主宰である。山口誓子に厚く師事し、敬愛し続けた和歌山の人である。題名『星戀』の戀は旧字を用いている。何かの拘りかと思ったのだが、誓子と鳥井さんの共著の題名をそのまま用いていることが「あとがき」で分かった。この「あとがき」も誓子の生誕日(十一月三日)に…
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柴田孤岩句集『鳩寿』

 柴田さんは「草の花」(主宰は名和未知男氏)の最重鎮であられる。該著『鳩寿』(きゅうじゅ)は卒寿の意味。第二句集に当たる。文學の森、平成二十九年十二月一日刊行。  自選句は次の十句。   あららぎの暮れてゆくなり遍路杖   春月やもう老ゆるなき妻のこゑ   登り窯の裏山けむる雨水かな   柞原過ぐれば海…
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千光寺昭子句集『鳥谺』

 「蝶」のメンバーの千光寺さんが句集『鳥谺』を上梓された(沖積舎、平成29年11月3日刊行)。「鳥谺」は美しい言葉。山間の静寂を思わせる。集中自選句の〈川霧や水谺また鳥谺〉や〈027 四万十源流青水無月の鳥谺〉に因るのであろう。  解説は「蝶」の重鎮たむらちせい氏が丁寧に書かれている。  自選12句は次の通り。…
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同前悠久子句集『枝垂れの桜』

 同前さんは、俳歴40年ほどの方。「琅玕」「狩」を経て現在「ににん」(岩淵喜代子主宰)に所属している。刊行はふらんす堂、平成29年11月3日。  序文は岩淵さんが書かれている。帯には印象鮮明な一句〈緑青の屋根に枝垂れの桜映ゆ〉が抽かれている。  自選十句は次の通り。   一輪を落として誘ふ沙羅…
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