平きみえ句集『父の手』

「船団」所属の平きみえさんが句集『父の手』を上梓された(象の森書房、平成28年6月10日刊行)。「船団」に参加してもう14年になるベテランである。坪内稔典さんの推奨句は次のような句である。

  モーロクのロックンロール紫雲英田よ
  青空や蟻のお尻はでっかいぞ
  久々の蛞蝓今日はへへへの日
  父の手の草の匂いと昼寝かな
  


画像


 
 筆者(=栗林)が好ましく思った句を並べよう。

009 野に遊ぶリボンの騎士ものらくろも(*)
009 目薬の青き一滴犬ふぐり
010 領収書ばかりの財布梅咲いて(*)
013 喪の服のままで土筆の袴取り
019 二年程広島へ行く春の蟬
022 春の風家族みーんな鍵持って(*)
026 桜咲く素足で靴を履く男
035 巻寿司を巻いた手で行く春の駅
038 青饅や酒の半ばに父の歌
049 髪切って泰山木の花が好き
050 手をあげて薫風右へ通しけり
052 てのひらに手乗文鳥緑さす
053 鳴らしても鳴らぬ草笛草に置く
054 乗り換えて田植に帰る兄二人
060 午前中はすっぴんでいる青蜥蜴
063 柿の花みんな母から生まれたる
071 クーポン券持ちて茅の輪をくぐりたる(*)
072 常連も一見さんも冷奴(*)
077 噴水やちょっと年金係まで(*)
078 割箸を割って吉野の鮎のこと
080 苦瓜やえくぼのできる男の子(*)
081 蝉の穴ゲートボールの旗を持ち
099 会い出したらよく会いますねコスモス(*)
125 青空に透かして拾う柿落葉
126 とっくりセーター走る地球は丸い
128 カンガルーの袋を干して十二月(*)
134 今駅に着いた頃だなおでん酒(*)

 就中、(*)印の10句は筆者がとても気に入っている作品である。平易な句なので解説は要らないだろう。軽い屈折とユーモアと懐かしさがあって選ばせて戴いた。まさに「船団」のメンバーならではの楽しさでした。

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